日光は「こころの栄養」!─うつ対策・睡眠改善と実践ガイド
☀️この記事のポイント☀️
- 日光によるセロトニン分泌・ビタミンD生成・体内時計の調整を通じて、気分の安定・睡眠改善
- そのために、朝の光を取り入れる、短時間外に出るなど、小さな行動で十分な期待がある
- 夕方の日光浴や、雨の日の日光浴の方法を載せた記事も掲載
こんにちは!ひなたログです☀️
こちらはより気楽に、快適に日光浴をするためのコラム。ひなた特集―ひな特―です。
太陽を浴びてスッキリしたいけど、気になることもいろいろ…という方にお届けします。
なぜ今、日光が注目されるのか?
リモートワークで外に出る機会が減り「なんだか気分が晴れない」「夜眠れず、朝がつらい」と感じていませんか?
その不調、もしかしたら「日光不足」が原因かもしれません。この記事では、科学的根拠に基づき、日光が私たちの心と体に与える効果と、今日から実践できる具体的な方法をご紹介します。
日光が「こころの栄養」である3つの理由
日光が必要な理由は大きく3つあります!順番に詳細をご紹介します。
- セロトニン分泌を促し、気分を安定させる
- ビタミンDを生成し、抑うつリスクを低減する
- 理体内時計をリセットし、睡眠の質を高める
理由1:セロトニン分泌を促し、気分を安定させる
日光を浴びると脳内で「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが分泌されます。セロトニンは、心の安定に深く関わっており、その量が多いほど私たちは幸福を感じやすくなります。
実際、夏は日照時間が長いため、セロトニンの活動が活発になることが研究で示されています。
反対に言えば、日光が少ないと、セロトニンが足りず、気持ちや自律神経が乱れてしまいます。その詳細と対策は以前、記事にしました!
理由2:ビタミンDを生成し、抑うつリスクを低減する
日光に含まれる紫外線が皮膚にあたると体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、抑うつ症状の改善に効果があるだろうと多くの研究から言われています。
ある研究では、屋外で過ごす時間が長い人ほど、うつ病のリスクが低いことが報告されています。
理由3:体内時計をリセットし、睡眠の質を高める
私たちの体には、約24時間周期の体内時計が備わっています。しかし、正確に24時間ではなく、少しズレています。そのため、体内時計をリセットしないと、どんどん実際の時間と体内時計がズレて、体調がくずれてしまいます。
朝の光を浴びることで体内時計をリセットできます。これは、夜ぐっすり眠るために書かせません。朝に光を浴びると、「睡眠ホルモン」と言われるメラトニンの分泌が止まり体が覚醒モードになります。
そしてその約15時間後に再びメラトニンが分泌され、質の高い睡眠へと導かれます。
参考:厚生労働省(2023)「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
メラトニンを出してちゃんと眠るためには、いかに日中太陽を浴びたかに左右されます。このあたりの詳細も以前、記事にしましたので、ご興味ある方はご覧ください!
【実践ガイド】今日から始めよう!「こころを元気にする」日光浴
基本編:どのくらい、いつ浴びれば良い?
環境省によると、ビタミンD生成に必要な日光浴の時間は季節や地域によって異なります。
例えば夏の晴れた日に関東で過ごす場合、1日15分程度、両手の甲くらいの面積で日光を浴びるのが目安とされています。
時間帯は、午前中が特に効果的です。
参考:環境省(2020)「紫外線環境保健マニュアル2020」
こころと体を元気に!5つのひなた習慣
今日からできる5つの習慣をご紹介します。この中で1つでもいいので、取り入れてもらえたら嬉しいです!
- 朝の「おはよう」を、太陽と一緒に
- いつもの道に、小さな冒険をプラス
- ランチタイムは、お気に入りの「ひなスポ」を探しに
- 行き詰まったら「5分間の光の休憩」を
- 休日は「太陽と遊ぶ計画」を立ててみる
1.朝の「おはよう」を、太陽と一緒に
一日の始まりは、カーテンを開けることから。目覚めたら、窓の外の光を部屋いっぱいにしてみましょう。朝の柔らかな日差しは、眠っていた体と心をやさしく起こし、自然と体が起きるようになります。
これが体内時計をリセットする最高のスイッチ。「今日も頑張ろう」と前向きな気持ちで一日をスタートできますよ!
2.いつもの道に、小さな冒険をプラス
毎日同じ景色の通勤・通学路も、少し視点を変えれば新しい発見があるかもしれません。
例えば、いつもより一つ手前の駅で降りて、10分だけ太陽の下を歩いてみるのはどうでしょうか?
リズミカルなウォーキングは、幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促す効果も期待できます。心と体が軽やかにするために、日常に小さな冒険を加えてみてください!
この、ちょっと日常にスパイスを加えてみる効果をより詳しくまとめた記事もあります!
3.ランチタイムは、お気に入りの「ひなスポ」を探しに
晴れた日のランチは、思い切って外に出てみませんか?近くの公園のベンチ、日当たりの良いテラス席など、あなただけのお気に入りの「ひなたスポット(ひなスポ)」を見つけるのも楽しいもの。
ポカポカの日差しは、ビタミンDの生成を促してくれ、気持ちも上向きになりやすいです。さらに、午後の仕事や勉強への集中力も蓄えることができます。
4.行き詰まったら「5分間の光の休憩」を
リモートワークや勉強で集中力が切れてきたら、それは体からの「もうダメ」のサイン。タイマーを5分だけセットして、ベランダや窓際で外の光を浴びてみてください。欲を言えば、散歩ができたらベスト!
深く深呼吸すれば、驚くほど頭がスッキリするはず。短い時間でも意識的に光を浴びることが、気分転換の秘訣です。
5.休日は「太陽と遊ぶ計画」を立ててみる
日光浴を「やらなきゃ」と思うと、億劫に感じますよね。義務感を持たないことがいちばん大切です。
そんな時は、「太陽の下で楽しめること」を探してみましょう。例えば、気になっていたカフェまで散歩してみる、公園で本を読む、カメラを片手に知らない道を歩いてみる。
「楽しい」と組み合わせることで、日光浴は最高のセルフケアに変わります。ぜひ、あなただけの「ひなたの楽しみ方」を見つけてみてください。
【Q&A】安心して日光浴を楽しむために
Q1. 日焼けが気になります。日焼け止めを塗っても効果はありますか?
A. 日焼けやシミは、多くの方が気になるところだと思います。
結論から言うと、日焼け止めを塗っても、日光浴の効果が完全になくなるわけではありません。
たしかに、日焼け止め(特にSPF値が高いもの)は、ビタミンDを作る紫外線をブロックします。しかし、環境省によると、SPF30の日焼け止めを塗った場合、皮膚でのビタミンD生成量は5%以下に減少するそうです。
そのため、日焼け対策をしつつビタミンDを生成するには、日差しの弱い時間帯を選んだり、手のひらなど一部だけ日光に当てるなどの工夫が考えられます。
参考:環境省(2020)「紫外線環境保健マニュアル2020」
それ以上に大切なのは、「日焼けが怖いから」と太陽を避けないこと。
まずは、日差しの弱い時間帯に、顔や首は日焼け止めを塗り、手のひらだけは塗らずに光を浴びるなど、ご自身が安心できる方法で試してみてはいかがでしょうか。
Q2. 窓ガラス越しの日光でも意味はありますか?
A. はい、意味はあります。ただし、得られる効果が少し異なります。
ビタミンDを作る紫外線は、残念ながら窓ガラスでほとんどがカットされてしまいます。そのため、ガラス越しの日光浴でビタミンDを増やすことは難しいでしょう。
しかし、気持ちを安定させるセロトニンの分泌を促す「可視光」は、窓ガラスを通過してしっかり届きます。
ですから、「今日は外に出るのが億劫だな」と感じる日は、無理せず窓辺の席で、読書をしたり、お茶を飲んだりするだけで十分!心にとっては、十分な栄養になりますよ。
参考:環境省(2020)「紫外線環境保健マニュアル2020」
参考:Young, Simon N. “How to Increase Serotonin in the Human Brain without Drugs.” Journal of Psychiatry & Neuroscience 32, no. 6 (November 2007): 394–399.
Q3. 曇りや雨の日は、どうすればいいですか?
A. 太陽が雲に隠された日は、気分も沈みがちですよね。でも、がっかりしないでください。
実は、うす曇りの日でも、晴れの日の80%以上の紫外線が地上に届いていると報告されています。 そのため、少し長めに(例えば、いつもより1.5〜2倍くらいの時間)外を歩いてみるだけで、十分な効果が期待できます。
また、雨の日でどうしても外に出られない時は、部屋の照明をいつもより少し明るくするだけでも、気分が紛れることがあります。
参考:環境省(2020)「紫外線環境保健マニュアル2020」
より具体的に、実践的な内容は以下にまとめております!
【専門的な治療法】光療法について
日光浴は、私たちの心身の健康をサポートする素晴らしい習慣ですが、うつ病などの精神疾患の治療においては、より専門的な「光療法」が用いられることがあります。
これは、高照度の光を特定の時間帯に浴びることで、体内時計の調整や脳内の神経伝達物質のバランスを整えることを目的とした医療行為です。
特に、季節性感情障害(冬季うつ病)や、非定型うつ病などに対して、有効性が認められています。
しかし、光療法は、双極性障害の方や特定の目の疾患をお持ちの方には禁忌となる場合もあります。そのため、ご自身で判断せず、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指導のもとで行うようにしてください。
参考:日本うつ病学会(2024)「日本うつ病学会治療ガイドライン」
【まとめ】日光を味方につけて、すこやかな毎日を
日光が私たちの心と体に与える科学的な効果から、今日からできる具体的な実践方法、そして注意点や専門的な治療法まで、幅広くご紹介してきました。
日光は、セロトニンを増やし、ビタミンDを生成し、体内時計を整えることで、気持ちを安定させ、睡眠の質を高め、うつ病のリスクを抑えてくれる、まさに「こころの栄養」です。
難しく考える必要はありません。まずは、朝起きたらカーテンを開ける、ランチタイムに少しだけ外に出てみる、そんな小さな一歩から始めてみませんか?
太陽の光は、いつでも私たちをやさしく照らし、応援してくれています。今日からあなたも、日光を味方につけて、心も体もすこやかな毎日を送ってください。
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参考文献
- Young, Simon N. “How to Increase Serotonin in the Human Brain without Drugs.” Journal of Psychiatry & Neuroscience 32, no. 6 (November 2007): 394–399.
- Ghaemi, Shadi, Sheida Zeraattalab-Motlagh, Ahmad Jayedi, and Sakineh Shab-Bidar. “The Effect of Vitamin D Supplementation on Depression: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.” Psychological Medicine 54, no. 15 (November 18, 2024): 1–10.
- Burns, Angus C., Richa Saxena, Céline Vetter, Andrew J. K. Phillips, Jacqueline M. Lane, and Sean W. Cain. “Time Spent in Outdoor Light Is Associated with Mood, Sleep, and Circadian Rhythm-Related Outcomes: A Cross-Sectional and Longitudinal Study in over 400,000 UK Biobank Participants.” Journal of Affective Disorders 295 (December 1, 2021): 347–352.
- Crowley, Stephanie J., Sabrina L. Velez, Logan G. Killen, Jamie A. Cvengros, Louis F. Fogg, and Charmane I. Eastman. “Extending Weeknight Sleep of Delayed Adolescents Using Weekend Morning Bright Light and Evening Time Management.” Clinical Trials in Sleep 46, no. 1 (January 11, 2023): zsac202.
- 厚生労働省(2023)「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 環境省(2020)「紫外線環境保健マニュアル2020」
- 日本うつ病学会(2024)「日本うつ病学会治療ガイドライン」
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小林 秀樹
1995年1月23日生。東京都出身。
ひなたログのマーケター・エンジニア。
趣味:ゲーム・ダンス・よさこい・AIいじり
気づけば一日中、部屋にこもってPCの前。栄養バランスや宅配サービスは整っていても、“太陽の光を浴びる時間”はどんどん減っていく──。
そんな状況に小さな危機感を抱き、全国各地で『日光にあたれる場所』を集めて紹介することにしました。
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